技術者として、一定の技量に達すると他者のスキル・技術・作品などに対する評価(観察眼)が肥えてくる。
その結果自分を見る目が必要以上に厳しくなり、スランプの原因になることが起こりうる。
これは自分と相手に対する 単純な欲求不満という形で認知されることが多い。
技量が上がるにつれて、この種のスランプが心理的に深刻な問題に発展するときもある。
初級者から中級者への移行期では、必要な技能、身につけなければいけないこともわかるので、上級者と対面しても、それを楽しみとして味わい、プロに対する底知れぬ凄さに酔うことができる。
しかしながら、中級者を経て上級者への入り口が近づいている人にとっては、プロの力量に接近しつつ、埋まりそうで埋まらない距離があるというものも体感的に認識してくるため、深刻な欲求不満を起こすのだ。
つまり、皮肉なことに上級者であればあるほど深刻な欲求不満を起こす可能性があるということなのだ。
一度身につけた観察眼が元に戻ることはない。
対応するには2つの選択肢がある。
一般的なのは、人のスキルの評価や鑑賞のための観察眼と、自分の技能向上のための観察眼を分離することだ。
他者の評価に対する観察眼と、自分自身の日々の変化をチェックする観察眼を分けるのである。それなりの割り切り方が確立すれば、またコンスタントに頑張れる。
もう一つは、観賞用の観察眼は残して自分は一線を退くことである。
厚木整体スクール学校 学院長より
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